ネットワークエンジニアとは、コンピュータネットワークのシステム設計、プログラミング、テスト、運用、保守、初期設定など、ネットワーク通信に特化した情報処理技術者のことを指します。 様々なプラットフォーム（UNIXやLinux、Windowsなど）やサービス（ファイアウォールやDNS、MTA、ルータ、スイッチなど）の特性を理解し、これらの連携を実現するためにネットワークケーブルや商用回線といった物理的な要素やプロトコルにも幅広く精通している必要があります。 ネットワークスペシャリストとも呼ばれたりします。

本来は、ネットワークエンジニアは、どの工程も理解できている必要があり、担当する工程に優劣はないでしょう。 しかし、IT業界では各々の業務に優劣を印象付け、上流工程に移ることをキャリアの向上とみなし、賃金差を図る企業が殆どです。 単価を上げる（もしくは賃金を下げる）という目的のみで工程を差別化しているのが実態であり、ネットワークの知識やスキルに関係なく、管理者の都合のいい業務に配属されるケースがよくあります。

■ネットワークシステムの運用・保守・監視

ネットワークシステムの運用・保守・監視を担当することになるネットワークエンジニアは非常に多いでしょう。 運用・保守・監視の業務は下流工程（レベルが低いという解釈）に位置づけられ、賃金も低く設定されています。 一部の零細請負企業ではネットワークエンジニアへの登竜門的業務と位置づけている場合がありますが、実際はネットワーク技術に一切精通していなくとも勤まる現場も少なくなく、深夜勤務労働者の確保のために便宜上、ネットワークエンジニアという名称を用いているのが実情です。

■ネットワークシステムの初期設定

ネットワークシステムの初期設定は、ネットワークエンジニアのメイン業務というイメージが強いのではないでしょうか。 設計書に沿ってネットワークデバイスを設定し、ネットワーク回線を使ってシステム同士を接続します。 ルーティングとレイヤー2・レイヤー3スイッチングの技術のみに精通していれば、ある程度は業務が成立する工程です。 ネットワークエンジニアとは「ルータ・スイッチのスペシャリスト」という曲解も一部ではまかり通っている現状があります。

■ネットワークシステムの設計・開発

ネットワークにも独自のシステムがあり、詳細設計やプログラミングを行って開発します。 開発手順や試験項目立案、運用設計なども業務に含まれます。 もちろんセキュリティ面での考慮も必要です。 ルータやスイッチの知識だけでなく、ネットワークに関するあらゆる知識とシステム開発の知識が必要です。 ただし、零細請負企業に所属していると、ネットワークシステムの設計・開発を担当できるケースは非常に稀なのが現状です。

■ネットワークサービス・機器の開発

ネットワークプロトコルやネットワークデバイスの開発を行います。 ソケットプログラミングを行うことも含まれます。 主にハードウェアベンダーのエンジニアがこれに当たります。